さて、いよいよ2015年秋の最終問題です。標準化について。なんとか間に合ったな、おいちゃん!
ちなみに飛ばした問題は過去学んだ内容で解くことができたので、ここまでが去年の秋の出題範囲になります。
標準化の目的・意義・考え方
標準や規格は社会におけるルールのひとつで、このようなルール作りを標準化といいます。標準化の意義は5つあります。
- 形状・大きさを同一にすることで異なる会社の製品でも同じように使うことができる
- 製品の品質を一定に保つことで安心感を与えることができる
- 情報をピクトグラムにすることで言葉の壁を取り払うことができる
- 特定のラベルを付けることで性能レベルが一目でわかる(※)
- 目印を付けることで内容物や向きを示す
※)テキストでは省エネ性のを示すラベルと書いてあったけれど、なんかここだけ一般化されていなかったので書き換えました。
社内標準化の目的・意義・考え方
社内標準または社内規格は個々の組織において運営や成果物などに関して定めたものになります。これを運用することを社内標準化といいます。
社内標準は品質・コスト・納期・安全・環境管理などすべての企業活動を適切に実施するために欠くことのできないもので、企業の観点で特に重要な3項目を以下に挙げます。
- 互換性や整合性が向上することでコスト低減に寄与
- 固有技術を目に見える形で蓄積でき技術が向上
- 管理によってばらつきが低減され品質が安定
社内標準や社内規格の呼称例として以下のようなものがあります。
- 社内標準
- 作業標準(作業要領、作業手順書、作業マニュアル)
- 社内規格
- 社内規程
- QC工程表図(QC工程表、QC工程標準)
これらは常に組織の実情に合わせた見直しが必要になります。
社内標準化は大きく以下の3つに分類できます。
製品に関する標準化
製品、マーケティング・営業、商品企画、新製品開発、設計、生産準備、資材調達、法規・認証・外部標準
製造に関する標準化
製造時間する標準で、ものづくりにおける標準化。
- 製造条件に関する標準
- 設備管理に関する標準
- 検査標準
- 外注加工に関する標準
業務の標準化
業務分掌規程など、経営や組織・人事労務・業務の処理などに関する標準
工業標準化の目的・意義・考え方
工業標準化とは以下のようなものを作成し活用してゆく活動です。
製品規格
数々の製品についての規格
基本規格
用語や記号についての規格
方法規格
試験方法や分析・検査などの規格
工業標準化の目的は以下のようになります。
- 鉱工業品の品質改善
- 生産能率の増進、その他生産の合理化
- 取引の単純公正化
- 使用または消費の合理化
- 公共の福祉の増進
工業標準化の意義は多様化・複雑化・無秩序化を避けるため、国家レベルで規格を制定し、統一または単純化することです。
- 経済・社会活動の利便性の確保
- 生産の効率化
- 公正を確保
- 技術進歩の促進
- 安全や健康の保持・環境保全
日本の場合はJISになるわけですが、その対象は国内で使われる鉱工業品についての標準規格です。以下の観点から必要不可欠なものとなります。
- 互換性の確保
- 品質の確保
- 安全性の確保
JISマーク表示制度とは個々の製品がJISに適合していることを第三社が証明する方法です。JISに適合した工場はJIS工場といい、製品の品質維持と向上に努めています。
JISマーク表示制度は品質の具体的内容を規格で規定しておいて、そのJISに適合していることを示す特別な表示をつけるものです。これは国内外事業者を問わず、表示しようとしている製品がJISで定められていれば、登録認証機関による審査等を経てJISマークを表示することができるというものです。
国際標準化の目的・意義・考え方
各国独自の国家規格に対し、国際的に統一または単純化を目的とした取り決めを国際規格といいます。各国が協力して規格を作成し運用していくことを国際標準化または国際標準化活動といいます。
貿易量の多い製品や国際的な技術交流で必要となる基礎的・共通的な技術事項について、国家規格間の統一調整を図るための制定されます。代表的なものとして
ISO(国際標準化機構)
電気・電子技術分野以外の広い範囲についての規格作成に従事
IEC(国際電気標準会議)
電気・電子技術分野全般にわたる規格作成に従事
…やべぇ。長年電機業界に居ながらISOが電気・電子分野以外とは知らなんだ。。。
国際標準化事業の目的は以下のようになります。
- 関係各国の利害を調整して国際的に統一した規格を作成し
- 各国がその実施の促進を図ることで国際間の通商を容易にし
- 科学・経済など諸部門にわたる国際協力を推進すること
やってみる
2015年秋の第19問は5項目。1分半で全問正解!
この問題は標準を順守することの重要性や標準化の意義、標準化による利便を問うものでした。標準化の目的とメリットの理解がポイントです。