さて、2015年秋の第3問は工程能力指数に関する問題です。これは定義を再確認しないとお手上げだぁ!まずいぞ、おいちゃん!
工程能力指数は頻出問題だそうです。テキストの175ページ、第13章「QC七つ道具」のうちのひとつ、工程能力指数でおさらいしておきましょう。
※公式の覚え方を追記したよ。
工程能力の定義
工程能力(工程品質能力)は工程が安定状態にあるとき、どの程度のばらつきで品質を実現しうるかの能力を示すものです。
精密さ、精度の指標で、平均値±3σ(または6σ)で表します。
工程能力のレベルは工程能力指数Cpとかたよりを考えたCpkとで判断しますが、これらはあくまで工程が管理された安定状態において意味を持つものです。
両側規格と片側規格
両側規格の工程能力指数の公式を見ると、規格値の範囲が6σに対してどの程度であるかを算出していますね。
SUとSLはそれぞれ規格値の上限と下限です。
まだ勉強していませんが、6σというのは標準偏差の6倍の範囲を示していて正規分布をしているものであれば全体の99.7%だかをカバーする範囲だったはず。ということはある規格を適用したときのCpが1の時、生産品の0.3%に不具合が出るということかな?
そして両側規格を中央の規格値で上下分断したのが片側規格。
後述するかたよりを考慮する場合、規格値を挟んで上下限を一括で考える両側規格よりも、規格値の上側と規格値の下側とに分離したほうがわかりやすいかもしれません。という理由で片側規格があるのかな?
上限規格と下限規格は各々以下のようです。
C_{p}=\frac{\bar{x}-S_{L}}{3s} \]
かたよりを考慮する
さて、正規分布前提の話をしましたが生産品の平均値が規格値に対して偏っていた場合、実際には上下どちらかの規格値までの余裕度は減ってしまいますね。
そこで、かたより度kの分だけ規格の上下を削ってしまったのがかたよりを考慮した工程能力指数Cpkになります。
ここで176ページのかたより度の公式に誤植があってちょっと悩みました。かたより度はおそらく、規格値からの平均値のズレを許容される上下限範囲に対する割合で表したものなので下記が正解と思われます。
分母が規格値に対する上下限の幅、分子は規格値に対する平均値の偏り分。規格値と平均値とのズレは上下限値の和から平均値の2倍を差し引くと算出できますね。
かたよりによって損した分、上下限は狭まるだろうというのがCpkの定義ですね。
C_{pk}&=&(1-k)\frac{S_{U}-S_{L}}{6s}\\
&=&(1-k)C_{p}
\end{eqnarray}
工程能力指数の評価基準
さて、このようにして計算した工程能力ですが、1.33以上であれば十分ということです。なぜかは知りません。
工程能力指数の値 | 工程能力有無の判断 | ||||
---|---|---|---|---|---|
Cp | ≥ | 1.67 | 工程能力は十分すぎる | ||
1.67 | > | Cp | ≥ | 1.33 | 工程能力は十分である |
1.33 | > | Cp | ≥ | 1.00 | 工程能力は十分とはいえないがまずまずである |
1.00 | > | Cp | ≥ | 0.67 | 工程能力は不足している |
0.67 | > | Cp | 工程能力は非常に不足している |
この表は覚えておかんといかんのでしょうな。