2015年秋の第11問は「QC的ものの見方、考え方」について。解説によるとQC的ものの考え方は品質管理の中で重要とされてきたもので仕事の質の向上にも有効とのことなので、一般的に身に付けておきたい内容です。
ちなみに問題は全部で6項目。2分で回答、1項目誤答。問題よく読め!
QC的考え方(心構え編)
品質優先なり品質第一なりといった言葉は、様々な判断において品質を優先するという考え方です。
たとえばコスト低減をおこなうにしても品質を確保したうえでおこなうなど、品質がすべての価値基準のトップとなります。コストダウンも生産性も、品質なくして語れないということです。
目的志向というのは、何をする上でも
- その目的は何か?を考え
- 今やろうとしていることは目的に対し整合性があるか?
- 目的達成のために妥当な手段であるか?
- 目的にかなっているか?
を考慮することです。目的と手段を繰り返すことで真の目的に近づいてゆきます。実際の手法は新QC七つ道具(その1)の系統図法にありますね。
源流管理
問題を後に残さないようにするための管理の仕組みです。
製品やサービスを生み出す一連の仕事の流れの可能な限り上流のプロセスで対処することで、効果的・効率的に品質保証を達成するという活動です。
重点指向
目的・目標のために、結果に及ぼす影響を予測・評価し、優先順位の高いものに絞って取り組むことです。
実行するためにはパレート図が有効です。経営用語の「選択と集中」と同じ考え方ですが、部分最適ではなく組織(システム)全体の最適化を図るような全体最適である必要があります。重点指向においては
- 意味のあるものかどうかよく吟味して
- 項目とした分類の最適さ
- 損失額で見たときのような評価基準の適切さ
を決めることが大切です。
事実に基づく管理・三現主義・5ゲン主義
品質管理は事実に基づく管理であり、そのような姿勢を「データでものをいう」といいます。
- 現場に行って
- 現物を観察して
- 現実的に検討する
の三つの現を三現主義といい、これに加えて「原理・原則に基づいて改善を進めることを5ゲン主義といいます。
ばらつきに注目する考え方(ばらつき管理)
データのばらつきはデータ解析におけるポイントになります。ばらつきを適切な範囲に押さえ込む基本的な手法に管理図があります。
ばらつきの特徴をうまく把握し、性質を解析することにより原因の特定が可能になります。これをばらつき管理とかばらつきに注目するといいます。
QCD+PSME
広義の品質の総称として以下のものがあります。
- Quality(品質・質)
- Cost(コスト・原価・費用)
- Delivery(生産量・納期・工期)
職場ではこれらに以下を加えて広義の品質として管理する。
- Productivity(生産性)
- Safty(安全)
- Morale(士気)またはMoral(倫理)
- Environment(環境)
後工程はお客様
自分たちの仕事の良しあしは後工程の満足度あるいは迷惑度によって測られます。
顧客から遠いところにある組織であっても、顧客とのつながりを意識しながら仕事を進められます。
プロセス重視
良い結果を継続させるためには結果を生み出すプロセスに多くの関心を持って改善する必要がある。顕在化した好ましくない現象に対して、対処療法的な処置では再発の可能性があります。
原因に対しての処置が基本であり、結果としての品質特性を計測管理し、異常の発生や変動に対して要因系のフィードバックをしプロセス管理する必要があります。
結果(特性)と原因(要因)との因果関係を調べて工程解析を十分におこない、QC工程図により要因系の管理項目と対応した結果としての品質特性の管理方式を設定することで、プロセス(過程)を重視した管理を運用します。
見える化、潜在トラブルの顕在化
問題や課題を明確にして、全員が認識できる状態にすることで、問題解決への入り口がはっきりします。対象としては以下のようなものがあります。
- 問題の見える化(異常や要因など)
- プロセスの見える化 (基準や手順など)
- 顧客の見える化(顧客の声など)
- 知恵の見える化(ヒントや経験など)
- 経営の見える化(財務や戦略など)
うーん、なんかなぁ。…薄い。