おいちゃんです。また少し間が開きました。2016年秋の第18問は検査に関する問題。ということでテキストの第5章「品質保証ープロセス保証」の86ページから始まる「検査」部分について勉強しましょう。
検査の目的・意義・考え方
検査とは、工程で造りこんだ品質が顧客要求を満たしているかどうかの合否判定をするためにおこなうものです。
検査
品物やサービスの特性値に対して、測定・試験・検定・ゲージ合わせなどにより規定要求事項と比較して、適合しているかどうかを判定すること。
規定要求事項
顧客要求事項と供給者自らが定めた要求事項を合わせたもの。
検査の役割
後工程や顧客に引き渡す前に定められた品質基準を満たしているかどうかの判断をし、
- 不適合品が後工程に渡らないように品質を保証し
- 検査部門にあるデータを速やかに製造部門へフィードバックすること。
以下重要ポイントを確実に実施する必要があります。
- 品質特性を測定する方法の確立
- 品物やロットの合否判定基準の策定
- 上記項目による試験と判定
検査の種類と方法
まずは検査のおこなわれる段階による分類です。
受入検査・購入検査
提供品の受入可否判定のための検査。特に外部からの購入品の検査を購入検査という。不適合品が生産工程に流入したり顧客に流出したりすることを防止し、品質上の責任の所在を明確化する。
工程間検査・中間検査
工場内で半製品を次工程へ移動してよいか判定する。中間検査・工程内検査ともいう。不適合品ロットの流出防止と損害の最小化が目的。作業者自らがおこなう検査を自主検査(自主点検)といい、以下のような効果がある。
- 作業者の品質向上意識を高める
- 工程へのフィードバックが迅速にとれる
最終検査・出荷検査
できあがった品物が製品として要求事項を満たしているかを判定する。製品出荷時の品質保証の最終検査として、輸送中の不適合が発生しないように梱包条件もチェックすることがある。
続いて検査の方法による分類です。
全数検査
ロット内すべての検査単位についておこなう検査。検査単位というのは良否判定をする単位です。
無試験検査
品質情報や技術情報など書類による合否判定をおこない、サンプルの試験を省略する検査。
間接検査
供給者側の検査成績を確認することで受入側の試験を省略する検査。
抜取検査
検査ロットからあらかじめ定められた抜取検査方式に従ってサンプルを抜き取って試験し、ロット判定基準と比較してロットの合否を判定する検査。
抜取検査について
抜取検査方式とは検査ロットサイズNからランダムに抜き取るサンプルの大きさnとロット合格と判定する合格判定個数cの組み合わせです。抜取検査には2種類あります。
計数値抜取検査
サンプルの不適合品数を数えて検査ロットの合否判定を下す検査。
計量値抜取検査
サンプルの計量値データから平均値\(\overline{x}\)、標準偏差sを計算して検査ロットの合否判定を下す検査。特性値が正規分布と見做してよい場合に適用できる。
抜取検査は一般にある程度の不適合品の混入を許すことができて以下のような場合に適用する。
- 破壊検査を要するため全数検査ができないとき
- 間欠的な取引など、ロット品質情報が不足ている場合
- 品質の悪いロットのみ全数検査するなどして平均品質の改善を図りたいとき
- 間接検査への移行にあたり、検査成績により供給者を格付けするとき
抜取検査の問題点としては以下のようなものがあり、採用にあたっては十分な吟味が必要です。
- 同一品質ロットでも合格にも不合格にもなり得る
- 不適合率が小さいとき不適合品の検出が困難
検査における試験および測定は次のような内容です。
試験
規定された手順に従って特性を調べたり、既定の条件で動作させた結果を観察・記録すること
測定
ある量を基準と比較して量の値を決定する作業
やってみた
2015年秋の第18問は6項目。1分ほどで全問正解しました。この問題は検査の種類と方法についての理解がポイントになります。