おいちゃんです。いよいよ本題の管理図ですよ。
安定な状態にある工程の条件
安定した品質の製品を生産できる状態のことを工程が安定な状態にあると言います。この状態を継続するためには、
- 条件の管理により作業が定めた条件のとおりにおこなわれるよう管理し
- 結果による管理により品質を定期的に測定し期待どおりの結果であることを確認する
ことが必要となります。
条件の管理のためには決められた方法で生産するための作業標準に従った作業が必要で、結果による管理のためには品質を表す特性値を測定し管理するための管理図が必要です。
シューハート管理図
前回やった工程能力図の打点をつないで折れ線グラフにしたものが管理図となります。これは規則的な間隔でサンプリングされたデータから作成されます。間隔は時間または量(ロット)によって決めます。
ここで工程能力図と異なるのは上下限の値が標準偏差σの3倍の値である上方管理限界(UCL)と下方管理限界(LCL)という管理限界線であること。なので3シグマ法管理図とも言います。
3σなので打点の約99.7%は管理限界幅の内側に入るはずです。
管理図の構成
ここでも構成という表現をしておきます。
- 中心線
- 平均値を示す線で、実線で示す。
- 管理限界線
- 中心線の上下3σの位置にある。解析段階の管理図は破線、管理段階の管理図では1点鎖線で示す。
- 管理線
- 中心線と管理限界線の総称
- n
- 一つの群の大きさでサンプルサイズのこと。
ばらつきの種類
ばらつきには2種類あります。
- やむを得ないばらつき
- 品質特性に及ぼす影響の小さいもの。これが生じる原因を偶発原因、不可避原因、突き止められない原因という
- 意味のあるばらつき
- 品質特性に及ぼす影響が大きく、あるばらつき以下に抑え込んだ要因が通常の値を超えたり予測していなかった要因がばらつくもの。突き止められる原因、見逃せない原因、異常原因という
このことより工程の安定状態または統計的管理状態とは、見逃せない原因が取り除かれていて偶発原因のみによってばらついている状態を言います。